◆創業1400年 ~世界で一番古い会社~
なんと、なんと、世界で一番古い会社が、大阪にあったのです。
その名も「金剛組」。
創業1400年と云うから驚きです。
この金剛組、建築関係の方は、ご存じの方が多いのではないでしょうか。
あの聖徳太子から大阪ではお馴染みの四天王寺の建立を依頼されたのをきっかけに
代々、現在まで会社として延々と存続しているのです。
いわゆる神社仏閣建築、宮大工の仕事を行い続けています。
最大の危機に、あの髙松建設が、
「金剛組を潰したら、大阪の恥や!」と大きな支援をしたと云う。
正しく、なにわの人情物語です。
寺社建築に於いて宮大工の評価が下されるのは、300年後。
いつの時代も誰に見られても恥ずかしくない仕事をする。
伝統を守るということは、それを次世代に伝えられる人を育てること。
肝心なことはわざと失敗させ学ばせる。
優秀な宮大工は、失敗した時こそ弟子に寄り添い一緒に解決法を考える。
最後の責任は、全部ワシがとるからやってみい。
後継者は、血縁でなく能力で選ぶ。
契約を結ばない専属宮大工。
金剛組には、昔から、金剛組の仕事しか請け負わない宮大工がいる。
この信頼関係たるや、どれだけの太い絆で結ばれているのだろうか。
第37代目が急死したことにより、
その妻の金剛よしゑが棟梁として金剛組を支えた。
並大抵の苦労ではなかったはず。
なにわのおんな棟梁が老舗を立て直した。
1934年室戸台風で四天王寺の五重塔が一瞬にして、まさかの倒壊。
1940年、それを見事に金剛よしゑが再建した。
「四天王寺の五重塔は後家(ごけ)で建つ」という言葉が金剛組に残されているという。
ずらずらずらっと本の内容を書き綴りましたが、面白い本です。
人生訓や人間関係についての神髄が書かれているように思えた。
☆「創業一四〇〇年」ダイヤモンド社 1,500円+税