◆白旗の少女 ~語り継ぐべきこと~
さてさて、今年も、もう9月に入りました。
月日の経つのは、早いものですね。
最近読んだ本で強く印象に残った本をご紹介します。
ニュースや映像でご覧になった方も多いはず。
白旗を持った少女。
「白旗の少女」
ご本人、比嘉富子さんが執筆されています。
昭和20年4月。
太平洋戦争。
日本における唯一の地上戦が沖縄を火の海に変えた。
日本、18万8千人、
アメリカ、1万2千人、
合わせて20万人もの人が亡くなった。
この戦争で、日本軍人よりも沖縄住民がはるかに多く亡くなり、
その数、10万人を優に超える。
戦火を逃れようと6歳の少女が、
姉妹ともはぐれ、ひとりぼっちで
戦火の中、ガマからガマへと危険を侵し姉妹を探し歩き回る。
(ガマとは自然にできた洞窟で戦時中避難場所となっていた。)
終戦後も小さな胸に何十年もの間、閉ざされた思いを今明かす。
姉妹にも明かさなかったことを。
「ガマから外に出たら、その白旗が誰からでも見えるように高く上げるんだ。
いいかね、高く、真っ直ぐにだよ。」
この白旗を誰がどのような思いで作ったのか。
読み進むにつれ、目頭が熱くなるのを抑えきれなかった。
親の教えを守り、
必死に生きるその姿。
この比嘉富子さんは、生かされるべくして生き。
生きるべくして生きたひと。
人間が人間でなくなる戦争。
戦争の悲惨さ、醜さを語り継ぐために。
漢字にはひらがなが振られ、
子供さんでも読みやすくなっています。
一読して欲しい一冊であります。