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ハッチャンの「大阪大正区で沖縄三昧」

◆日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?

先日、本屋で目に留まった本があったので買って帰った。

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農耕民族といわれる日本人も実は、

罠を仕掛けたり、狩りをして

昔から地方地方で結構色んな肉を食べてきた。









畑などを荒らす害獣ともされる猪。









猪の生息の北限が、年々伸びてきて、

秋田県で捕獲された時には、住民らを驚かせた。










猪は南へ行くほど小さくなり、

沖縄の西表島では、最大が60㎏で、

通常は、30㎏まで。










猪を「カマイ」といい、

「猪狩家」をカマイトゥヤーという。







カマイトゥヤーはお手製の罠を作り、猪を捕獲する。









捕れた猪は、足を縛り担いで、生きたまま持って帰る。


これは、全国的に見ても珍しいことだという。








止め刺しといわれる絞め方

血抜き









カマイの剛毛をバーナーで焼き、ツルツルにし、

鰻の背開きならぬ、背中から切り開く背割り。









この方法は、解体の仕方としては稀で、

大概は腹から割るらしい。









捌き方

内臓、ホルモン、耳、残すところなく食べ利用する。








また、ドングリを食べたカマイは特に美味く、

ジーマミーカマイとかジーマミカマンという。








カマイのタタキやカマイチャンプルー。









レバーや心臓は、茹でて塩だけで食べるのが最高との事。








この本には、他にも







これまで日本人が食してきた




大分のシカ、

高知のハクビシン、

大分のアナグマ、

宮崎のイノシシ、

礼文島のトドについて書かれている。











現在、野生獣で農林業への被害は、

鹿と猪が最も多く、地元の猟師に頼んでも

鹿は美味しくないと、猪を懸命に追う。










しかし、最近では自治体が鹿の駆除に出す補助金を上げ、

一頭当たり15,000円も出すところもある。









元々補助金は、謝礼金・お疲れ様程度のものであったのに、

それだけで、生活が出来るレベルまでになった。










捕まえた鹿の耳と尻尾と写真を持って行けば、補助金が受け取れる。











昔は、食べる目的で獲ったものを、

お金のために殺し、耳と尻尾を切り、

そのまま放置する非常識な者まで現れた。










その地域には全く関係のない者がほとんどだ。








耳や尻尾がない多くの鹿が山の中に捨てられた。







ただ金目当てのために鹿を殺す他所者に地元猟師は嘆く。







この本は、現地で調査をした報告が写真と共に記されている。








人は動物に限らず命を食べる。









毛皮から、爪に至るまですべてを無駄なく利用するのが命へのお礼ではないか。








人は、食事をする前に「頂きます」という時に手を合わすのは、

植物、動物に係わらず「命を頂きます」ということなのです。









こんな本も興味があり読んでみました。

◆日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?_f0238779_14495682.jpg










肉は、スーパーに行けば手ごろの大きさに切られ、パックされている。





そこに至るまでの知られざる過程や歴史。






日本人には、感謝をしつつありがたく命を頂くという思いがある。





豚や牛、クジラにせよ然りである。






誰かが、この仕事をしないと食品にはならない。









著者が通い詰めて調査をしたレポートのような本です。



改めて命のありがたさと大切さを見つめ直す機会を与えてくれた2冊であった。
by hacchannt | 2015-12-05 07:51 | ★読み物 | Comments(0)